妄想世界に屁理屈を。
「でも、竹の実とりにいくことの何が問題なの?」
いいことじゃん。
むしろ、アカネさま大好きなスズがやると言い出してないことに驚いた。
たくさん霊力が得られるなら、やった方がいい。
さっさとやるって言ってそうなのに。
なら、何かしらの訳があるのか。
“…60年に一つしか実らないんだ”
「……」
60年に一つって…
「ほぼ不可能…」
こくこくと雀が頷いた。
“だけど、ずぅっと実ってる場所があって――驪さまはそちらに向かおうとしてるってわけ”
「60年に一度の実がずぅっと?」
なんだそりゃ…化け物か
“そう”
「は?」
“人間、正解。
そこは伝説の異界にして、化け物が蔓延(ハビコ)る無双地帯。
驪さまはそこに向かおうとしてらっしゃるんだ”