妄想世界に屁理屈を。

“そこは本っ当ぉぉぉ…に危ない所なんだ…”


おそろしやおそろしや、と翼で顔を隠す。

いや、さっきから鳥らしくなくて地味に気持ち悪いんだけど…


「そんなにやばいの?」


“わかりやすく言えば、神々のごみ捨て場なの。

この世に神々として君臨できなくなった、無駄に神格の高い落ちぶれた神々がいっぱいいる。

落ちぶれた神々はみんな人間を恨んで邪神と化してる”


「なんで人間を恨むのさ」

“当たり前でしょ?

霊力=信仰で、崇めるのは人間なんだ。人間が崇めなくなったから霊力が入らなくなった……怒るでしょそりゃあ”


誰を崇めるかは人間の自由。

いつ人間が自分を捨てるかわからない――


神様って、結構残酷な生き物なのだ。


“落ちぶれて手のつけられなくなった神々を、中国神話では罪を担当する竜が成敗――いわば島流しするの。

その島流しの場所によりによって竹があるわけよ”


「なんでそんな場所にあるの?」


“……”


あれ?

なんだかスズの表情が鳥だけど曇った。

なにかヤバイこと聞いちゃったか?



< 120 / 631 >

この作品をシェア

pagetop