妄想世界に屁理屈を。
くるりと一回転。
雀のサンバならぬ、雀の宙返りをした。
「あっ…」
パッ、と。
宙返りから、流れるように人間へ。
「ふぅ、しゃべりづらいの、雀」
バサッとポニーテールを掻き分ける。
「…え」
それよりも
なんだよ今の変わり方。
綺麗すぎるだろっ!
「陰陽道にあるでしょ?葉っぱ頭に乗っけて、くるりんってすれば、変わるやつ」
「あ、ああ…狐とかがやってる?」
「さすがに知ってたか」
でもあれは狐で、こいつは雀だ。
なんで使えるんだ?
「玉藻前ちゃんだよ?教えてもらったの」
「あっ」
玉藻前って、たしか狐か。
アカネが「たま」って呼ぶから、ちょっと猫っぽいけど…
「と、ゆーより神様なら誰でもできるんだよ、こーゆーの」
「アカネとかもできるんだ?」
「くるりんしなくてもできる」
「はあ?」