妄想世界に屁理屈を。
「鳳凰のお仕事の一つに、悪い神様の退治がある」
「へぇ」
「他にもいっぱいあるけど、まあ置いておいて。
もちろん戦えないアカネさまがやるわけじゃなく、旦那さまの黒庵さまが退治なさるんだ。
それで――退治にきた黒庵さまの後ろに、引っ付いていらしたアカネさまと出会った」
なるほど。
追われてる身としては遭遇しやすいのか。
…引っ付いていらしたって、崇めすぎじゃない?
「死にかけてた私を救って――まあ治療は鸞さまがやって下さったんだけど、匿って――はこの家で驪さまなんだけど、とにかく私を救って下さったの」
…まてまて。
ほぼ鳳凰のおかけで、しかもアカネなんもしてなくない?
「アカネさまは、苑雛さまを使って私に人間の姿を与えてくださった」
そこでまた鳳凰…しかも苑雛くん。
「で、着物もくださって。
そして、こう仰ったの」