妄想世界に屁理屈を。


「でもね、同時に…アカネさまとは長いから、なんかわかるの」


畏れ多いけどね、と大人びたように言い。


「アカネさまが玉藻前ちゃんのこと必死になるのがさ」


ふぅ、とため息をついた。


『私はタマが大好きだ。親友なんだよ』

『変な子で、上から目線で、だけど悲しい目をした、とても綺麗な子なの』


悲しい顔をして、大事なものを語るアカネを思い出す。

そうだ、アカネは玉藻前のためだけに体を望んでる。


神様と言えど、命なんて簡単に投げ出してしまうほどの、あまりにも深い友情。


俺は玉藻前を知らないけど、アカネがあんなに愛したやつだ。

どんな人かは知りたいじゃないか。


「スズは玉藻前と仲良いの?」

「恩人」

さらりといってのべる。

…玉藻前どれだけすごいやつなんだよ!

「玉藻前ちゃんほどツンデレで女王で優しい人はいないと思うよ?」

「そんなに?」

こくこくと頷く。

ツンデレで女王で優しい…
悪女らしいけど、そんなに優しいのか。


「昔、アカネさまのお仕事のお手伝いをしてたら悪霊に襲われて」

「またか!」

襲われすぎだろスズ!

「それを助けてくれたのが玉藻前ちゃんなの」


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