妄想世界に屁理屈を。
◇◇◇

あれから俺は一番風呂を取られただの、変態だの、漫画読んだかなど散々蜜柑に言われた。


…抱きついたりされた、ゆーちゃんの時の方が待遇よかったなあ…

ちなみに全裸で風呂にいったあと、脱衣場には服が。たぶんスズだろう。

母さんも「あれ?あんたいつ帰ったの?…てか誰だっけあんた」みたいな視線を俺に向けた。


…俺って一体…と悲しくなったが、いつも通り登校。

教室につくと、厘介と紅太が出迎えた。


「なあなあなあ!知ってる!?」


いきなり紅太が飛び付いてくる。

朝からハイテンションだなあ、なんて呑気に考えていたら。

「なに?どうしたの」



「昨日メイド服着た美少女が繁華街を歩いていたらしーんだよ!」



呆然とした。

…待ってそれ俺。
なんて言えるはずもなく。

「へー、そ、それって誰が見たのか?」

目を泳がせながら、必死に相づち。

「厘介が!コンビニ帰りに!砂糖と水買ってたらしいよ!」

あそこに厘介いたのかぁあああ!

あんな恥ずかしい買い物を品物まで見られていたなんて、ものすごくショック。

泣きたくなるくらい落ち込むが、泣くわけには行かない。


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