妄想世界に屁理屈を。
「当然です。
私はアカネさまの一の子分ですから!」
フンッと得意気に無い胸を張る。
「証拠に、アカネさまはこのような緊急事態の際に必ず私を呼んで下さいます」
“いや、あれは助けてーってやったら食いついたのがスズだっただけでー”
「えぇ!?アカネさま酷いです!アカネさまの霊力を受信したから駆けつけたのに!?」
“うそうそ。お前なら必ず近くにいんだろーと思って、柚邑を使ってよんだんだよ。お前と私は繋がってるかんな”
そっか。
さっきの指笛は助けてーってゆーサインで、スズを呼ぶためだったのか。
「…あれ?なんで…」
俺の視線の先には、たくさんのカラスやら雀やら鳩やらがぞくぞくと集まって来ている。
なんだなんだ、や、朱雀さまが!、などと騒いで…
騒いで…
「アカネ!なんか俺鳥の言葉がわかんだけど!?」
忘れてた。
“私とあんたは一体化してんの。
だから当然に決まってるでしょーが“
えぇ…と、当然なの?
鳥たちのやけに甲高い声が、きぃきぃ聞こえる。
不快じゃないけど、なんか自分が怖くなってくるんだけど。
やだなあ、俺とんでもないことに巻き込まれてるんじゃ…
ここでようやく実感が追い付き、呆然とした。
“スズ、みんなを帰して。
ついでにだありんのこと聞いてくれるー?”
俺の頭の中で喋ってるのに、なぜかスズ(朱雀って呼ぶべきかな)には伝わるらしい。
「かしこまりました」