妄想世界に屁理屈を。
「朱雀の名におき、命令します。
私の主のアカネさまのだあ…旦那さまの、黒庵さまの居場所を知ってる方はいますか?」
だありんって言いかけたな。
「…スズ、みんな知らないみたいだぞ?」
「黙れ人間…でも、本当だ」
わいわいと騒ぐ鳥たちは、知らねー、だのなんだの。
マイナス方面の話しかしない。
「…なら、黒庵さまを見つけた際には私まで。
アカネさまは現在肉体を持っていませんので、あなた方とは対話は無理です。ちなみにアカネさまはこの下郎に憑いていらっしゃいます」
下郎って…
「アカネさま、ついでにランさまやエンスウさまの所在も聞きますか?」
“おねがーい”
誰だ?
知らない単語に戸惑う。
“ランもエンスウも、私の仲間。
ほらーいったじゃーん!
5羽だって。
ちなみにランが青で、エンスウが黄色だぜー”
「あ、言ってたねそーいや」
“そうそう”
「アカネさまー、みんな知らないみたいですー」
もうスズは聞いたのか、振り返りながら言った。
“じゃー帰ってもらえー”
「皆さんお帰りください」
その一言で、ばっさばっさと去っていく。
スズ、偉いんだ…