妄想世界に屁理屈を。
バッサバッサと黒い翼を屋上に着地させる宮下さんの腕には、小さい小さい苑雛くんが。
なぜかパジャマ姿で、さらさらと金髪がなびいてる。
宮下さんは「えぐっ…えぐっ」と鼻水と涙をだらだらと放出させていてきちゃない。
「苑雛くんっ」
「あ、おねーさ…や、おにーさん!」
苑雛くんいまはニョタ化してないよ…
優しく宮下さんに下ろしてもらい、パタパタと俺に抱きついてきた。
ぎゅうっと体温が伝わる。
やばい何このかわいい生き物。
「アカネとスズが無理矢理呼んじゃって…保育園大丈夫?」
「大丈夫だよ!アカネの勝手さはもう慣れてるし、身代わり置いてきたから!」
にっこりと、人好きのする笑みをする。
“なんじゃぁああこのガキがぁあああ”とか怒るアカネは無視。
「身代わり?それスズも言ってたけど」
「僕の能力は“頭”でしょ?その能力はね、鳳凰の体を自由にできるってゆーのがあるのを知ってる?」
「ああ…だから俺、体が」
ゆーちゃんの体を作った、否、いじくったのは苑雛くんだ。
また、スズを雀から人間にしたのは苑雛くんと聞く(アカネとスズは繋がってるので、鳳凰と同一視→弄ることが可能)