妄想世界に屁理屈を。
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じゃあちゃんと話をしようか。
――この世界に一番最初に生まれたのは誰?
そう言われて答えられる人はいない。
なぜなら、見たことがないから。
この世界のはじめを、だあれも。
見たとしても覚えてない。
気がついたら、の表現さ。
例えば君は生まれたときの事を覚えてる?
そんなわけないだろう。
君はいつも“いつのまにか”いて、いるのが当たり前なんだ。
青龍という龍がそれさ。
はじめを知らない。
誰も、彼が生まれた現場を見ていない。
ただ、気がついたらいたんだ。
自然の摂理があって、それによって生まれたのかもしれない。
また、彼よりもっと上の神様がいて、その人が彼を生んだのかもしれない。
とにもかくにも、彼はいたんだ。
ときに『セイ』は『ソウ』と混合されるのを知ってる?
今はちがくとも昔はそうだったんだ。
青龍のむかしの名は創龍。
創る龍と書くなんて、まさにそれらしい。
――そう、彼は最高神。
しかも、人間のじゃない。
神々の最高神。
彼は、“信仰の神”だったんだ。