妄想世界に屁理屈を。
◇◇◇
「あぁああああっ」
「柚邑!」
紅太と厘介が俺を指差す。
俺が落ちてた時間は、あんなに長く感じたのに10分程度だったらしい。
長く落ちてたと思ったから、警察とかに連絡されてないかな…と思ったけど。
そこら辺は大丈夫だったみたいだ。
「柚邑!無事だったか!」
「あー…もう、マジビビったわ……怪我とか大丈夫?携帯圏外だし、あー…よかった」
「うん、ありがと」
少しだけ薄い髪をした紅太に、黒い髪の真面目そうな厘介。
紅太はともかく、真面目できちんとした厘介がかなり疲れた様子なのは、きっと俺を心配してくれてたからだろう。
…悪いこと、したなあ。
「よし、さっさと登っちゃおーぜ」
「おう!」
「あと20分ぐらいで頂上と神社だって」
こうして俺らは山登りを再開した。
途中、アカネが何回か話しかけてきてうざかったが。
どうにか山頂につくことができたのだ。