妄想世界に屁理屈を。
神様見学のススメ
見た目は、いい女だ。
体の凹凸はアカネより激しく、黒い髪やらなんやらがとても美しい。
服は布。
いや、布は皆同じなのわかってるんだけど――彼女は本当に布切れ。
エロいのなんのって。
胸は隠してないし、下半身だけちょろっと。それも薄いチュールみたいな。女の服よくわかんねえけど。
普通なら健全な高校生の俺は興奮し、ぜひ一発とおねだりして速やかに殴られる行動に写るんだが――
ヤバイことに目がイッちゃってる。
黒い目が血走っていて、ぐるぐると眼球だけが動く。
何があったか「フー…フー…」と、歯から息だしてるし、
で、最後のトッピングに。
鎌。
血の滴る鎌を持っている。
よく外人が「HAHAHA☆」とか言いながら振り回して草刈りに用いる、あれ。
明らかに草以外の物を“狩”っちゃった彼女の鎌と体は、血に染まっている。
平成の平和な世に相応しくない、殺戮犯兼露出狂。
が。
「キモ…!」
「な、何あれ!?」
皆が怖がってるのは“彼女”ではない。
彼女の足下にトッピングしている烏の惨殺死体。
体はあちこちぐちゃぐちゃで、見えちゃいけない部分がいっぱい。
黒い女と表現したのは、羽があちらこちらについているからでもある。
「烏だよな?」
「き、きもいきもいきもい…」
“ちなみにゆーけど、彼女は誰に見えてないから。神様以外”