妄想世界に屁理屈を。

「私の記憶ぅ?」


いやーん、というように己の体を抱き締めた。なんでだ。

苑雛くんは眉間に指を置き、考える人のポーズをとった。


「苑雛くん?」


「…昨日、夕食を食べましたか?」


「…昨日?あ…」



――食べてない。



ミサキくんとあって、黒庵さんのもとへいき、そのままここにきた。

修羅場などに巻き込まれ、そのあと驪さんと喋って、そのまま眠ってしまった。


夕食の部分が抜け落ちている。


まるで、お腹が空くことを体が忘れてるようだった。



「ヤバイなあ、大変だ。ちょっと緊急事態だよ」


珍しく苑雛くんが動揺している。

だけど姿が幼いので、緊急事態には見えない。

その姿は損な事が判明。



「おねーさん。君の体は、段々アカネに染まり始めてる。鳳凰の属性を身に付けてきてるんだ」



「なっ…!なんといやらしい!人間のくせに!私より先にアカネさまと『私色に染めてやんよ』的な関係になったとは!」

「そんなわけないだろスズ!!その思考どうにかしろ!」

「なに?スズ染められたかったの?おっきくなったらな」

「犯罪!アカネそれ犯罪だから!」


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