妄想世界に屁理屈を。
「安倍泰成は霊力を使ってタマの術を解いたんだ。その霊力の残骸を鸞さまが調べた結果、人間のモノではないことがわかった」
「まって、人間なのに霊力を使えるの?」
「神格が高いからねぇ。微量なら使える。祓いぐらいならできるよ。ただ、術を解くのはちょっと高度なんだけどね。まあ、使えるフリをしてるのがほとんど、人間だし」
まあ、お偉いさんって人間に崇められてるからなあ。
神格高いんだろう。
とにかく、鸞さんが調べたなら堅い。
鸞さん、霊力を見極めたりするの得意なみたいだし。
「半分は神の血だと、そう言ったんだ」
「半分はって、」
“当てはまんのは一人しかいねー、安倍清明だよ”
アカネが、中から確信に触れた。
「でもね、そしたら彼は100年以上生きてることになる。しかも僕たちが消えたあと、スズの前に現れたのは安倍晴明だった。
生前使っていたとされる十二天将を揃えてなかった、或は偽物を使っていたってことになるし、黄泉がえりをして泰成として存在していたってことにもなる」