妄想世界に屁理屈を。
「そう考えるとね、繋がるんだ」
「繋がる?」
苑雛くんの物言いに、疑問で返した。
この子よく不思議な物の言い方をするな。
やっぱり中身は大人だからかな。
「祖先は知っていたんだ。龍の顎の珠の正体が神話だってことに。
もしかしたら安部家は、その正体を言い伝えしていたのかもしれない。とにかく、安倍晴明もそのことを知っていた。
当然、手に入れて我が物にしようとする。
だからお爺様は協力したんじゃないかな」
「あ…」
彼らのお爺様、とは創龍である。
創龍は一歩高みの神話を作ることをなにより望んでいた。
安倍晴明がその器だと思い、彼の行動に荷担したのか。
彼が新しい神話の最高神となれるように。
「創龍の、否、青龍のしたことは以下の通りさ。
まず半神である安倍晴明に青龍自ら使えることで、十二天将という仕組みを作り上げた。
神々の元最高神が仕えたとなりゃ、神々らが安倍晴明に仕えたのも頷ける。
神様を安倍晴明の式にさせたのさ。
たぶん安倍晴明は青龍が創龍だとは知らないんだろうから、自分の実力で〜とか思ったんだろうね。
で、これは推測だけど」
スズを見つめながら、苑雛くんが話を続ける。