妄想世界に屁理屈を。
「何を聞かれた?」
「居場所と、私との関係と、能力についてが主でした。
も、もちろん言ってませんよ!
守秘義務は従者の基本です!」
“えらいえらい”
馬鹿真面目なスズに、笑いながら誉めるアカネ。
アカネ大好きなスズは、得意気に鼻息を漏らした。
「アカネの自慢話はどれくらいしたの?」
「ギクッ」
苑雛の一声に肩を強ばらせる。
わ、わかりやすっ
「自慢しちゃったの!?」
「ううううるさい柚邑!
だ、だってぇ…」
今はゆーちゃんだぞスズ。
「『お前の主はどんなんなんだ?』って言われて、つい…アカネさまの美しさを……で、でもそれだけだからねっ」
“まーな!あたくしの美貌を自慢したくなるのはしょうがねーよっ”
嬉しそうなアカネをキッと睨んだのは苑雛くんだ。
「バカ!あのね、敵には一つの情報も漏らしちゃいけないんだよ!」
“いーだろ美貌くらい…せいぜいファンクラブができるぐらいだろー?”
「あ、あとぉ…」
そろそろと手を挙げたスズに、一斉に注目がいく。
「ら、鸞さまの美貌も、そのぉ…」
……。
「バカァアア!わ、我が主の美しさを易々と…僕だけのものなのにぃっ…!」
金髪を揺らしてぎゃあぎゃあ騒ぎ始めた。
園児の見た目でそら恐ろしいことを口走りはじめてんだけど。
“落ち着け、ちっちゃい姿でヤンデレ発揮されても可愛くねーよ”
「心からアカネに賛同」