妄想世界に屁理屈を。
そうだ。

あの時たくさんの鳥が来て――


「うわぁ、こりゃあひでーな」

「気持ち悪い」


神社の管理人、いわゆる宮司と巫女がごみ袋を手に近づく。

きゃぁきゃぁ言ってる巫女は頼りにならず、宮司が進んで処理を行う。

と。


(口、直す)


荼枳尼天が、ゆっくりと巫女に近づいた。


「…ヤバくない?」


“…ちっ、あんたの友達とかいるから下手なことできねーし……スズ!”


アカネが中で叫ぶ。


すると、一匹の雀が肩に止まる。

一本の紐を首につけている以外、普通の。

…まさか。


「これ、スズかよ…」

“お、よくわかったなぁ柚邑。

スズの鳥の体は雀なの。

まあ感じにすると朱い雀だかんなぁー”


朱雀だっけ、たしか。


ちゅちゅちゅ、と怒ってんだかなんだか…な声を出した。


“悪いかこの下等生物が。

アカネ様がその汚い体に入ってると思うと吐き気がするわ。

アカネ様是非こちらにお入り下さい…!
あぁアカネ様に私の体を弄っていただけるなんて、考えただけでスズは幸せものですぅう…!”


言葉わかっちゃってるよ俺。

てかなんで俺こんな嫌われてんの?


“いやぁいくら鳥とはいえ雀はちょっと扱いづらいしなぁ―?気持ちだけね”


スズの危ない言動も、マイルドに返す。

アカネが大人に見えるなんて恐ろしい…


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