妄想世界に屁理屈を。


「ぃいだぁあっ!?」


突如襲ってきた痛みに、身悶える。

え、なんでいきなり抜くの?いじめ?

「あっ…ごめんねごめんね?言えばよかったね、抜くよーって」

よしよしとちっちゃいお手手で頭を撫でられる。

本能的な痛みから、涙が出てきた。

ああ…女の子な俺。



「お、おおっ…ゆ、ゆーちゃん。お主、涙目で睨むとはっ……エロいな…」

「ん?鸞さんなんか言った?」

「い、いいや……くっ、苑雛以外のものにエロスを覚えるとはっ!わらわの未熟者め!」


なんか拳を振り上げて叱咤しはじめた。相変わらず謎な人だ。


「本当は鳳凰の羽根でやりたいんだけど、おねーさん鳥じゃないでしょ?だから髪の毛を使おうと思って」

「断ってからやろうよ…」

「ごめんね?」


可愛らしく謝られれば、これ以上怒ることなどできない。

俺甘いし。


胸元からネックレスを取りだし、外して床に置いた。

料理のように、その上に俺の命の髪の毛をばらまく。


「おねーさんとそっくりでいいよね」


「え?」

「せーのっ」


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