妄想世界に屁理屈を。
“これでいい?”
「うん。助かったよ、ありがとう。
消えていいよ」
ネックレスにそう話しかけた苑雛くんは、“俺”の額に手を添えた。
「…朝にお風呂入るように指示しとこうね。そこで入れ替わるといいよ」
「あ、うん。よろしく頼みます…?」
指示?どうやってするんだ?
首を傾げながら苑雛くんを観察するが、やはり額に手を添えるだけ。
「よし、OK。終わったよ」
ふにゃ、と愛らしく笑ったからどうでもよくなる。
あああ、やっぱり可愛いよなあ苑雛くんって…
胸がキュンキュンして、思わず頭をなでなでした。
さらさらの金髪の感触にもキュンキュンしちゃう女の子な俺。
「わあ、おねーさん頭なでるの上手!気持ちよくなっちゃう…」
「そ、そー?」
うっとりと目を細めた苑雛くん。
「びゃぁああああっ!え、苑雛ぅが、苑雛が寢取られるぅう!あ、アカネ、わらわはどうすればよいのじゃ、え?え?」
“だまれよー、知らねーよ、ただのスキンシップじゃないかよぉー”
頭をかきむしって大絶叫の鸞さん。
OLな見た目からは想像つかない幼さに、思わず俺は引いてしまう