妄想世界に屁理屈を。
思わず感心してしまったが、事態の異常さをようやく飲み込んだ。
「…アカネ、なんでお前中にいるの?」
“え?あ、あー…ほら!柚邑身代わりなんて初めてだろ?不安だろうしついてきてやろうと…”
「入浴中は中にいない約束だろぉおお!この変態神めっ」
「わ、わわっ、怒んな怒んな!若いガキの裸になんか興味ねーからっ!」
「ガキとはなんだ思春期真っ盛りにたいして!出てけ!」
閑話休題。
そんなこんなで、羽を持ちながら風呂から上がった。
柚邑の時はお腹が空くので、朝食の席につくと、何やら蜜柑がニヤニヤしている。
「…な、なんだよ蜜柑」
「あとで届けてあげるねっ、兄さん!」
「何を…」
「洋服だよ洋服!」
その一言で全部を理解した。
まさか“俺”、あの漫画読んだのか!?
「感想文サイコー!そうだよね、やっぱり受けから攻めに変わるあの瞬間が可愛くていいよねっ」
「わ、わかんない…わかりたくないぃい…」
だけどまあ、読んでくれたのは大変ありがたいので適当に蜜柑の話を受け流した。
蜜柑が自分から口をきいてくれるのも嬉しいし。