妄想世界に屁理屈を。
これが狙いだったんだ。
大変畏れ多いが、アカネさまと私は繋がってる。
霊力という時空を超えた糸みたいな感じで。
当然、糸を探ればアカネさまが見えてくる。
体はなくても存在はあるアカネさま。
私の霊力が減ったら、霊力を自動的に支給してしまうのだ。
居場所がバレてしまうし、アカネさまの霊力が減ってしまう。
霊力が減れば、霊力の器である柚邑が苦しむことになる。
「子鬼、霊力の発信源を探ってくれ。助かるぞ朱雀、鸞の場所はわかったのだが、朱祢の場所はわからなくてな」
「鸞さまの居場所も特定してるの!?」
傷が治ってしまったため、意識を安倍晴明に向ける。
鸞さまの場所も特定してるのか。
アカネさまは現在体がないから、居場所が特定しずらいんだろうな。
狙いは完全に鳳凰…
「…鳳凰をどうするつもりなの?」
「お前には関係ないだろう。私の計画に必要なだけだ」
小さい悪霊が具現化した子鬼(シキ)と呼ばれる鬼が、霊力を辿ろうと歩き出す。
この場所はわからないけれど、きっとアカネさまの場所へ行こうとしてる。