妄想世界に屁理屈を。

(み、つけた)


妖しく笑うその女は、妙に余裕だった。


「スズ」

「はいっ」


アカネの声(俺だけど…)に嬉しそうに返事をする。


雀のときにはなかった剣を手にしてるが、気にしないことにする。


だけど、手は震えてる。


(スズ…)

「うううるさい人間！」


ガクガク震えながら、突進。


そして先ほどと同じようにやたらめったら剣を振るう。


が、相手は生身の(？)神様。


避けられて、剣術も何もない彼女には分が悪い



そして、スズの肩にあの血に染まった鎌が入り込んだ。



「…くぁっ」

「スズ！」


スズを抱き寄せるアカネの視点からみると、あんまり深くはない。


ただ、骨が近いから――



「…ふああっ」


衝撃で折れたらしい。


肩に手をやり、必死に押さえるスズ。


ち、と舌打ちし、

“一旦戻るな？”

次の瞬間、息が吸えた。