妄想世界に屁理屈を。


正直言って、たぶんここから上の登山ルートまで4、5mくらい。
斜面だし、よじ登るちょっと無理な高さだ。

なにかルートでもあるなら教えてほしい。

だって見渡す限り森林なんだもん。

……だけどなぁ、はね飲むのかぁ……。


「うーん……これなんの鳥の羽?流石に抵抗あるんだけど……」


羽を飲むなんて、さすがに無理だ。
鳥インフルエンザとか怖いし。

「…じゃあ、引きちぎって口に含むだけでいい」

「えー…」


それも嫌だけど、仕方ない。
潔癖症ではないけど、菌とかついてるかもしれないから抵抗はあった。
けどまあ、口に含むだけなら後でうがいでもすればいいだろう。

羽のふわふわしたところを適量むしって、口にほおりこむ。

こんな綺麗な羽なのだから、味ついてるかと期待もしたけど、なんの味もしない。


「……?」


よくわからず口の中で転がしてみる。

髪の毛を食べたみたいな感触に違和感を覚えつつ、話しかけてみた。

「食べた、けど」


すると。
いきなり頭上から何かがふって、俺の視界を反転させてきた。
衝撃に思わず目をつぶる。

「とりゃぁおっ」


変な叫び声と共に、頭に衝撃+地に伏した俺。
何が起こってるのか全然わかんない。


思いっきり顔が地についたから、土の匂いに包まれる。

あぁ俺のぱーふぇくとふぇいすが…


そこで気づく。


背中に感じる重みに。


誰かが俺に乗っているのだ。

だから起き上がれないしこんなに苦しい。


「んっ…く…」
「なんなんだよもー!」

すっごいムカついた声と共に、頭を手で叩かれた。


「いたっ」
「バカバカバカバカバカ!」
「うぉっ…いた、ちょっ…いたいたいた!?」

なんて理不尽なんだ。

なんで俺誰かから暴力行為に勤しまれてるんだ。

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