妄想世界に屁理屈を。
「ど、毒って…」
“なぁ!?なんで早く言わねーんだっ…ゆーちゃん、霊力っ”
「効きません…!だって、毒っていう名の神だものっ…」
「え?」
もう意味がわからなくなってきた。
“…霊力は、わかりやすく言えば電池なんだ”
「電池?」
“そう、ただの電池。
傷を治すことはできるけど、傷を追わせたやつを倒すことはできない。
それには電池を使って何らかの武器を作るしかない。
電池は手段でしかないんだ”
えーと…。
いわゆる、活力源みたいなもんか。
“毒っていう名の神…誰だ?”
「…七歩蛇(ナナホダ)です」
「七歩蛇?なにそれ、聞いたことないけど…」
“妖怪だ。妖怪だって崇められてっから、神って考えろ”
「ややこしいから置いとくね。
スズは治るのか…?」
きゅ、と抱き締めながら、痛々しい幼女の頭を撫でる。
…辛そう。
鬼畜だな、こんな幼女に毒をやるなんて。
“方法は二つ。
毒をもつ七歩蛇を退治する”
「いいじゃん!それでいこう、黒庵さんもいるし」
“…や、あのね。どの七歩蛇の毒を安倍晴明が使ったかわからないから、無理難題なんだよ”
安倍晴明が使った七歩蛇本人を殺さなきゃならないらしい。
確かにちょっと無理な気が…