妄想世界に屁理屈を。
「じゃあどうすれば――」
“苑雛ーに相談だっ♪”
「早く言ってねソレ」
問題は至って単純だった。
鳳凰(と、その眷属的な奴等)の体を弄れる彼なら、なんとかなるだろ。
さっとスズを抱き抱え、片膝をついて立ち上がる。
「……重く、ない…?」
「え?全然…」
むしろ軽いくらいだ。
食べてんのかな、さすが幼女。
「……」
「スズ?」
意味深に黙り込んでしまったスズに疑問を思って名前を聞き返す。
「……何、来てるんですか。アカネさま」
「え?」
ぶーたれたように、そっぽを向いて言った。
「…ご主人様は、アカネさまを捕らえて、黒龍さまの居場所を聞き出そうとしてたんです…
のこのこ来ちゃダメですよ
危ないです。とっても」
真っ青で、死にそうな顔をしながら。
血だらけの幼女は、主を想う。
「言ったでしょう、私は消耗品――容赦なく捨ててください。
主のためなら本望です…」
“…え……”
荼枳尼天の時もそう言ったのを思い出した。
私は消耗品です、と。