妄想世界に屁理屈を。
“マジで!?ラッキー!
そーそー。あんたの主人によろしく言っといてよ”
意外にも軽いノリで、怒ってないのかと思った。
“ただし、消費した霊力は払ってもらうかんな?
私の可愛いスズに血を流させた罰は、受けてもらう”
ドスの聞いた声。
あぁ、やっぱり。
スズは愛されてるや。
「…アカネさまが、私を傷つけた罰だけは償ってもらう、と」
「承知」
ふわり、それは身を翻して。
「失礼した」
まさに風のように去っていった。
“スズ、大丈夫か?”
「はいアカネさま。その…霊力を」
“あー、いいのいいの。あんたも私と同じで弱ってんだ。無理すんなよ?”
「…はいっ」
などと和やかな雰囲気に俺は飲まれない。
「…アカネ?全部説明してもらうぞ」
俺だって関わってるのだ。
事情を知らないまま解決、だなんてさせない。
“はーい…めんどーだなぁ…”
聞かなかったことにした。