妄想世界に屁理屈を。
「っ、」
思わず黙り込んでしまった。
ネックレスの僕は、感情がないロボットみたいなもの。
何をしでかすかわからない、ある意味では破壊神なやつ。
我が主は、そんな僕を望んだのだ。
今の怒りに我を忘れた僕よりも破壊神を一一
視界がにじむ。
世界で一番大好きな主に拒絶されてしまった。
「うぅ…ごめ…」
……体が小さいと、精神もそれに従ってしまう。
今の僕は直ぐに泣いてしまう幼児の特性を持っていて、泣きたくないのに泣いてしまうのだ。
「主ぃ……」
「あ、あ、ごめん、ごめんな苑雛!つい気が立ってしまって…」
途端にあわあわと焦ってしまった主は、優しく僕の頭を撫で始めた。
ずずんと鼻水を吸いながら主人を見上げる。
「でもいまは状況把握が一番なのじゃ。
わかってくれるか?」
こくんと頷くと、悲しそうに笑んだ。
そして真面目な顔に切り替え、お父さんに話を促す。
「お父さん」
「……」
こくんと静かに頷いて、お父さんは口を開いた。
「シロは破壊神です。
強大な力以外に何も持たずに生まれてきた子でした。
あなたたちも知ってるでしょう、ろくにコミュニケーションもとれない体質だということを」
目と目が合えば死んでしまう。
触れれば肉体が腐ってしまう。
世界最悪の破壊神。
そう、それがシロだった。