妄想世界に屁理屈を。
何はともあれ、ドキドキしながら教室に入る。
あいつらのことだから皆に話すなんて事はないだろうけど、それでもどんな反応をしめすか怖いのだ。
スズは相変わらずスズメのまま、外から不審じゃないように見守ってくれてる。
アカネは俺の中だ。
内心ビクビクしながら扉を開く。
「あー!柚邑!」
紅太の声が高らかに響いた。
犬みたいに駆けてきて、俺の前で静止する。
「体は!?」
「え?」
「体!大丈夫なの!?」
…え?
「あ、ああ…うん。大丈夫だけど」
「ほんとか!?なんか顔色悪い気がするぞ!昨日あれから病院行ったのか!?」
「おい紅太、騒がしい。昨日今日倒れた人に向ける態度じゃないだろ」
厘介がやってきて、一回紅太をはたいて俺の顔を覗き込む。
「…本当に大丈夫?確かに若干顔色悪い気がするな」
「そ、そうかな」
「無理してくることなかったんだぞ?あんなに体調悪そうだったんだ、てっきり今日は休むかと思ってた」
「心配かけてごめん…あの、もう大丈夫だから」
「本当に?ポッキーいる?」
「いや、意味わかんないから紅太」
…あれ?