妄想世界に屁理屈を。


「……いいのか?」

「来るものは拒まずが神様の道理ですよ?まあ、アカネがなんというかは知りませんがね」


一応確認はとれた。

アカネは説得するしかない。


弾き出したように、廊下をかけた。




「……。
って、あ!だめですよ!廊下は静かに歩きなさい!」


後ろからお父さんの声が聞こえたが、無視して。


中庭に降りて池に向かい、照り輝く水に居場所を指定しようと「お?だありんじゃんー」



「!?」

陽気な声にふりかえれば、朱い髪の少女。

向かいの廊下をスズとのんびり歩いていた。



「あ、アカネちゃん!?
なんでこんな昼間に一一ゆ、柚邑は!?」


昼間は柚邑と学校だと言っていたはず。


アカネを体にしまっておかねぇとか危険じゃねぇか。
何考えてやがる。



「聞いてよー、ひどいんだぜー?
苑雛がいきなり学校にきてさ、ちょっと柚邑借りるとか言ってうちらをここに置いて一一どっか消えちまったんだよ」


「…苑雛が…?」



…昨日聞いた、“シロが死んだ”件で動いてるのか。


あっちもこっちも大変みたいだな。


眠ってる間に色々なことが動いて、隠してきたことがほつれてきた。


今の事態はそんな感じ。


何も知らないのはアカネくらいだ。


「……」


じゃあ俺も少しは協力しなくっちゃ。



「アカネ、机に昨日作ったケーキがあるから、スズに食べさせてやって」


「え!?ケーキですか!?
うわぁ…!ありがとうございます!!」

「うぇー?わたし食べれねーのに…いじめかよー」


目を輝かせたアカネに笑いながら、もう一度場所を指定する。


「あれ?どっか行くの?」

「ああ…ちょっとな」



水辺に立って、繋がったのを確認して。



ジャバンっと、水に飛び込んだ。





一一子供の親権をもらいに一一。




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