妄想世界に屁理屈を。
◇◇◇
「邪眼のルーツから話しますね。
じゃないと性質とかいろいろ説明つかないので」
寝て崩れたセーラー服を直しながら、にっこりと微笑んでくれる。
「よろしくお願いします、今日子さん」
「タメでいいですよー、だって年上じゃないですか柚邑さん」
寝かせるために解かれていたポニーテールを結い直す。
うーん、俺としては態度が蜜柑と同い年とは思えないほど慎ましいから、敬語を使いたくなるんだけど。
本人がそう言うならお言葉に甘えよう。
少しは信頼されてるってことだしね。
承諾すると、満足そうに頷いた。
「えーと、じゃあどこから話そうかなぁ…」
顎に手を添えて、しばし思案して。
「一一玉藻前って知ってますか?」
…いきなり今日子さんから発せられた単語に、目が点になった。
それって、もしかしなくてもあの…?
「知ってるけど、え、まさか関係あるの?」
「ありますよ?」
「………」
なるほど。
だいたい繋がってきた。
「苑雛くんだからこの子…」
「タマについて調べてたらこの子に当たってねー、どうしても知らなきゃならなくなったの!」
にっこり無邪気に言うが、正直ある程度知ってたなら教えてほしかった。
一応偶然とはいえ見つけたの俺だし。
あとでスズやアカネにも教えてやらなきゃ。
タマと同じ白髪をもつ女の子のこと、気になってるだろうし。
「知ってるなら話は早い。玉藻前についてどのくらい知ってますか?」