妄想世界に屁理屈を。
「大体わかりました?
私もあんまり詳しくないので、もっと本格的に聞きたいなら日向家を紹介しますよ」
今日子ちゃんの言葉に鸞さんが首を傾げた。
「日向家?
邪眼なのか?」
「あ…ちょっとちがいます。えーと、何て言えばいいかな」
顎に手を添え、しばし言葉を選ぶ。
「…岩はいろんなとこに飛んだんです。
で、いろんな人に様々な効能の岩があたった。
大体は破壊神の本質を人間で表した邪眼なんですが、色んな能力を持った家ができたんです」
なるほど。
砕けた岩は部位によって能力がかわっていき、当たった人に反映するってわけか。
「代表的な家は、3つ。
一つは日向家。
多くある邪眼の橋渡しとなる家です。
能力は薬が一切効かないこと。
それを生かして邪眼を覚醒…あ、確実に殺せる状態にさせるってことなんですけどね?させるんです。
暗殺の家系である私たちにとって、すっごく重要な存在なんですよ。
また、邪眼は薬が効きすぎてしまい市販の薬が使えないので、私たち専用の薬を作ってくれるんです
その点でも非常に重宝してます。
当主は太陽製薬っていう薬の会社の社長でもあるんですよ」
「ええ!?俺でも知ってるよその製薬会社!!」
よくCMでも流れてて、虫歯持ちの蜜柑が愛用している鎮痛剤のメーカーでもある。
「製薬会社の社長が薬効かない体質ってどうなのじゃ?」
「効能がわかんないですよね、主…」
た、確かに…。
「でもわかったぞ、様々な邪眼を受け持つ家じゃから色んな情報が手に入り一一詳しくなるということじゃな!」
「頭いいですねお姉さん…」
今日子ちゃんの尊敬の眼差しが嬉しかったのか、ちょっと得意げに笑って。
でもまた不思議そうに問うた。
「あと2つはなんなのじゃ?」