妄想世界に屁理屈を。
「一つは健御(タケミ)家。
邪眼を狩る専門の家です」
「え!?邪眼を狩るの?」
想像もしなかった能力に驚いた。
だって、仲間なんじゃ…
「ハブは自分の毒に死なない。
玉藻前も自分の体に毒に対抗する程度の少量の毒一一あるいは解毒作用のある能力を有してたんじゃないかな。
それが人間に能力として伝わった…」
「大正解です、僕!かしこいね〜」
完全に苑雛くんを子供扱いしてる今日子ちゃんは、頭をなでなで。
ヤキモチを焼いた鸞さんの、「むっ」という視線に気づかないらしい。
「…健御は人間の味方です。だから昔から崇められ、愛されてきました。
私たち邪眼には、それがちょっと羨ましいですね」
さらさらの金髪を撫ぜながら、寂しそうにそう言った。
人間の敵である彼女からしたら、人間から絶対の信頼を得る健御家が羨ましくて仕方ないだろう。
「……」
なんとなく、嫌な空気になった。
さっきまで明るかった彼女が黙り込んだのだ、みんななんて声をかけたらいいかわからない。
「…あ、ねぇ!あと一つはなんなの?」
なんとか打破してくてそう言えば、さっきと変わらない笑みで答えてくれた。