妄想世界に屁理屈を。
と、まぁ、そんなわけで。


スズの服を調達しなくちゃいけなくなった。


「おい、蜜柑ー」


自室の隣の部屋をノックする。

可愛らしく『みかんの部屋』とプレートがかかっていて、今にもル〜♪とあの音楽が流れてきそうだ。

蜜柑――妹は中学2年生。

スポーツはできるわ勉強はできるわで、兄としては自慢の妹。



だけど。




「何?なんのよう?キモいからドアさわんな」



……。


くりくりしたかわいい目を狐みたいに細めた彼女が蜜柑だ。


見た目はスズより大きめで、綺麗より可愛い感じ。

服もよくわかんないけど胸元がら空きな太もも丸出しので、最近の中学2年生の発達の良さを憂いた。


「あのさ、蜜柑。お前の服貸してくんない?」


単刀直入に聞いた。


「スズってゆー女の子には洋服がなくて、でお前の服を貸してやってくんないかな?できれば昔のがいいんだけど」


そして。



「この変態ミンチになって世間に詫びろぉおおおおっ!!!!!」



美しい蹴りが飛んできて、俺の鼻に見事にフィットした。
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