妄想世界に屁理屈を。


「たぶん本当の狙いは、あなたのアカネと合わさった部分だと思います」



「アカネの合わさった部分?」


俺とアカネは今重なっているような感じだ。

だからニョタ化するときにアカネの過去を見てしまう。


「アカネの記憶が目当てなのではないかと。
苑雛に言ってない何かを苑雛は知りたかったのだと思います。

で。ゆーちゃんを利用した、と。

先ほど言わなかったのは、重なってるということはあなたの思考なども向こうに伝わってるということ一一切られまいと、何かの防御をされちゃあ困りますからね」


なるほど。


アカネが教えない何かを彼は知りたくて、俺を利用した。

糸を通じて、アカネの記憶をこっそり横流しみたいな。


「…て!ぷ、プライバシーの侵害じゃないですかこれ!!」

「本当ですよ!!アカネ様が話したがらないことを無理やりなんて!
苑雛さまでも許しません!」


「わわ!二人して怒らないでくださいよぉー!
私だってこれはひどいと思いますよ!」


キャイキャイと二人して騒いだので、困ったように慌てて制す驪さん。

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