妄想世界に屁理屈を。

一一事態を整理しよう。

ごっちゃごちゃになっている。


まず、僕は眠る前に霊力を多分に消費した。

タマを助けるべく無くした霊力のおかげで、僕はこんな姿になっていたのだ。


さてタマの話だが、アカネもバカみたいに霊力を使ったらしく、一年早く眠ってしまったのだ。

それを阻止しようと黒庵は霊力をあげたみたいだが、まあダメだったみたいだ。


で、黒庵は記憶を無くしてしまうのだが。



どうやら僕も例外ではなかったらしく。




『一一あれ、なんで…』


小さくなった体に驚いていたら、手のひらの傷を見つけた。

真横に切られたような傷は、眠った時から時が進んでないらしく、まだ血が付いていた。

『…なにかに、襲われた…?』


そう、そう思い込んで。


『…主に怒られちゃうな』


傷を治して、見なかったことにした。




だから、気づかなかったのである。



本当は自分が何をして小さくなったかのに。


アカネのことやシンデレラのことを調べていくうちに思い出していった。



自分が何に霊力を渡したのか。



極め付けはアカネの記憶を見たことだった。


記憶が鮮明になり、完全に思い出してしまったのだ。



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