妄想世界に屁理屈を。
「ぐはぁおっ!」
廊下の壁にガンッと頭を打って、へなへなと座り込む。
フンッと仁王立ちした蜜柑が、腕を組んで俺を見下ろした。
「彼女いないからって女装趣味に走るなんてキモい!
私の服着ておでかけなんてキモい!
あんたみたいなショタ顔でも男の娘でもないただのゴツい男に着せたら服が可哀想!」
とんでもない誤解をされたぞ。
「ち、ちが…着るんじゃない!」
「じゃあ何?くんかくんかしてはぁはぁしたりすんの?
きしょいきもい汚いっ!」
“き”トリプル罵倒がきた。
「俺が着るんじゃないって意味で…」
「じゃあ何!まさかショタ顔で男の娘でネコな可愛らしい男の子に着せるとか?なら賛成して…ううん、キモい兄さんに彼氏なんているわけがない!いるなら連れてきて!おかずにするから!」
「お前いい加減BLから抜け出せぇえええ!」