妄想世界に屁理屈を。
ついたのは夜の学校だった。
奥にいた宮下さんのせいで門は開いていて、学校のセキュリティの甘さを痛感させられた。
ちなみに前の席には黒庵さんが乗っていて、鸞さんと苑雛くんはお留守番である。
職員用の駐車場に車を止め、降りると宮下さんが何やら焦った様子で走り寄ってくる。
「おいミサキっ、何やら荼枳尼天がドンパチして…黒いのもおるのか!これは心強いの」
「どんぱち!?ちょ、百瀬は!百瀬!」
「わぁーたわぁーた、今行ったるから黙れ餓鬼」
頭をぽんぽんとされて、小走りで向かった。
たぶん気を急いてる俺を静めるためだろうな。
…むだに男前なんだよ、色男が。
と、言うわけで案内に従って中庭へ向かう。
「……ええ」
開いた口がふさがらないとはこういうことだ。
中庭は本来丁寧に手入れていて、春夏秋冬色々な花が咲くようになっている。
私立ということもありお金のかけ方が並みでなく、噴水なんかもある。
が、これは…
「校長が泣くね…」
「嵐が通ったみたい」
スズも呆然としていた。