妄想世界に屁理屈を。
自慢の噴水は隕石が落下したかのようにボロボロになっていて、花壇はなぜか灰となっている。
昼間見た光景とは変わり果てた姿になっていた。
え、ちょ、どんな死闘が繰り広げられているの…?
「んんー、ちょこざいなぁー!」
男の子みたいな声がして、ひゅひゅんと棒のようなものが出現して目の前の花壇にぐさぐさと刺さった。
矢である。
弓を介せずに矢だけが出現し、何かを狙って通過し一一花壇へ、といったところか。
それにしても声のありかはどこからしたのか。
「ふん、子供が粋がってるんじゃないよっ」
先ほどとは違う艶っぽい声がしたと思ったら。
後ろから風のように女が飛び出てきて、暗闇に包まれた闇を蹴った。
一一気づかなかった。
そこに子供のような女の子がいたことに。
「…ちっ」
手で蹴りを受け止められてイラついたのか、舌打ちして後ろに引く女。
受け止めたとはいえ勢いのある蹴りを食らったから、受け止めた手が赤くなっている。
「あーあ、その子供にこんな怪我させてさぁー
大人としては不甲斐ないよねぇ?」
いたいよいたいよー、と手をブラブラさせる幼女。
青い着物はこどもらしい裾が短いものである。
見た所持ち物はなく、強いて言うなら一一。
「ツノ…?」
額に淡く光る角のようなものが見えるのである。
「その子供が子供らしからないんだから仕方ないだろぅ?
ほれみろ、あんた手ぇもう治ってるじゃないか」
言葉で返す女はどこかエロい雰囲気で、仕草ひとつひとつに遊女のような色気を感じる。
挑発するような物言いはどこか姉御肌だ。
「えー?だって僕天つ神だからぁー怪我してたらご主人さまに怒られちゃうでしょぉー?」
「何がご主人さまだ、国家の反逆者が」
「なに言ってんだかわかんないなぁ、破壊神のお・く・さ・ま」
ニコッ、と子供が笑ったのを合図に、また女が駆け出し一一