妄想世界に屁理屈を。
当然来るとはわかってた質問だけど、いざ来るとなんて答えたらいいか…。
ここは一連の流れを伝えるか。
「…えーと、あの「いいよ、話しづらいなら…」
話が被ってしまった。
なんだかとっても気まずいが、押したのは百瀬だった。
「あのね、本当に…無理して言わなくていいの
あ、あんまり気にしてないから…」
なにかを我慢してるように、視線をずらして言葉を紡ぐ。
百瀬らしからぬ物言いに、不安を覚えて。
しゃがみこんで同じ視線にして一一
「もも、せ」
ぎゅう、と。
引き寄せられ、胴体の後ろに手を回し一一抱きしめられた。
衝撃で目を丸くしてる俺に、百瀬の声が響いた。
「ごめん…なさいっ!」
絞り出すような声に、出た言葉。
何もかも衝撃すぎて息も忘れた。
百瀬はなにを謝ってるの?
なんで抱きしめてるの?
「私…柚邑くんに迷ったの…!」
「迷った…?」
「女になったって邪鬼ちゃんに聞いて、それで…ショックをうけて、自分の思いに自信が持てなくなった」
「えと、」
「はっきり言っちゃえば引いたの!!
引いて、この人のこと本当に想ってるか悩んだの!」
あ、はい。
すごいはっきりと出たね。