妄想世界に屁理屈を。
ようこそゴミ捨て場へ!
◇◇◇
「せーのっ、でじゃぼんですよ!」
「…本当にここしか通路ないんですか、驪さん…」
目の前には井戸。
光沢のある白い水がたくさん詰まっていて、普段の池よりも飛び込むのにかなり勇気を必要とした。
「あとは死ぬしかないですねぇ」
「それは嫌ですね」
「じゃあじゃぼんですね」
本当にこれで向こう世界一一ゴミ捨て場にいけるのか。
いささか不安になりながら鸞さんを見上げれば、こくんと力強く頷かれた。
行くしかない…のか。
井戸の上に鳳凰みんなで立って、俺とスズだけ目を瞑って。
「せー…」
じゃぼんっ
驪さんの声よりも先に響くじゃぼんの声。
「うぉおお!?なんでみんな飛ばねーんだー?」
先ほどの話を聞いてなかったらしい黒庵さんが、ものすごい勢いで落ちて白い水へ消えてった。
…えーと。
「…まああいつのことじゃ、何かあっても生きてるじゃろ」
「バカについてくと失敗しますもんねっ」
苑雛くんも罵倒し始めたぞ。
“は、早く行こーよ
だありんが心配だっ”
急くあかねに同意した驪さんはうんうんと頷いて。
「そ、そうですね、ではっ一一せーのっ」
息と目を塞いで、一歩下へと踏み出した。