妄想世界に屁理屈を。
目を見開く。
壊す、鳳凰を。
それは一体、どういうことなのか。
「驪が可愛がってるというのも気にくわないが、なにより存在が気にくわない」
“り、理不尽〜…”
「糞みたいな思考しかないお前らには順を追って説明してやろう。
まず、お前らを仲間割れさせて内側から破壊する」
なんてことを言うんだ。
驪さんを恐る恐るみたが、睨んでるだけ。
想定内だったらしい。
「アカネと言ったな、お前はどこまでなにを知っている」
いきなり、枠のデカイ質問が来た。
なにも主語がないから、アカネが“はあ?”と当然の声を出した。
しかし驚いたことに、鸞さんたちの顔色が変わったのだ。
よっぽど隠したいことがあったのか。
訝しげに見てると、それに気づいたアカネが叫んだ。
“せ、赤龍…まさか……なにをあいつらは隠してんだ…全部教えてくれ!”
藁にもすがる思い、といった感じに問うてしまった。
さっと、顔色がさらに悪くなる鸞さんたち。
やばいって顔で、互いを見てる。
…アカネはお友達や兄弟が大好きだ。それはもう、自分の体を失ってまで愛する。
だから裏切られると本当に馬鹿みたいに凹む。
たぶん、アカネは知ってた。
鸞さんたちが何かしらを隠してて、そしてそれは絶対にアカネのためにはならないから教えてないのだと。
だから、彼女たちの口からはまず聞けない。
アカネはそれでも知りたがってた。
全部教えてくれる奴が現れれば、そりゃあ藁にも縋る思いだろう。
嫌そうな顔をしてるのは、鸞さんたちだ。
妹のために隠してたのに、赤の他人(血は繋がってるけど)にバラされるのだから。
驪さんは顔色を変えなかった。
ニヤリと笑った赤龍をみて、やばいと思ったのもつかの間一一
「シロと、玉藻前と、そしてお前らの本質についてだ」
三本指を立てて、嬉しそうに教えてくれる。