妄想世界に屁理屈を。
水面下の真実たち
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昔々、一つの狐の村があったという。
ただの狐ではない、妖狐の村だ。
周りからは人間が集まってるようにしか見えないが、それは変幻をしているからだった。
山の奥、それも特殊な結界を張っているから、めったに人間や獣は近づかない。
村では狐たちが自給自足の生活をして、豊かではないがそれなりに幸せに過ごしていた。
その幸せを守ってるのは、一匹の九尾の狐だった。
長寿を通り越して神になった九尾は、結界を張って村人を守っていた。
村人は九尾を心の底から尊敬し、愛し、敬っていた。
九尾は昔、村人とある約束をした。
村を守る代わりに、100年に一度美しい生娘を生贄に出せと。
妖狐の生娘を食らえば、霊力となる。
九尾の長寿は、それで成っていたのだ。
村には一人の少女がいた。
彼女は、美しいことで有名だった。
普通の農家の家に生まれたとは思えない、綺麗な娘。
九尾以外では最年長の狐の長老は、少女を生贄にすることに決めた。