妄想世界に屁理屈を。

体の中で熱がじんわりと外に向かい、鸞さんと触れてるお腹とかのあたりに移動していく。

あ、これ、ちょっときもちいい。

布団の中のようなずっと触れていたくなるような心地良さにうっとりとする。


ひとつになっていく、蕩けていく、そんな心地よさ。


「もういいぞ」

そんな声で見あげれば、いつもの鸞さん……ではなく。


またしても白髪になっていた。


瞳の色とかは変わらず黄色なんだけど…なぜか白髪。


「髪が……」
俺がそういうと、そこで初めて気づいたのか髪の毛を確認する。

「……そうか…白龍を元に作られたから……」


バツが悪そうに言う。

合体、したことがなかったのか。

「みんなが集まると、こうなるんだな。どうだ?変か?」


黒庵さんも苑雛くんもアカネもいない世界。
ちょっと寂しそうにするから、思わず。

「いえ、お似合いです……とても綺麗」

本心だった。
もともと目鼻立ちが美しい人だ。似合わないわけがない。

「そうか、ありがとう」

ふふ、と嬉しそうに笑ってくれて、よかったと安心した。
ふと自分を確認すると、男に戻っていた。そりゃそうか。
ブリブリのメイド服を男姿で着たくないなぁ……。

「それでは、さっさとその首頂戴しようかな」

ゴキ、と、肩を回して。
パンっと手を鳴らして、そこから大太刀を出現させる。

ぶん、ぶんっと二三回降って、にやりと───まるで黒庵さんのように笑んだ。
< 618 / 631 >

この作品をシェア

pagetop