妄想世界に屁理屈を。

「きゃぁああああっ!」



突如、妹の悲鳴が部屋に響いた。


「どうしたの蜜柑!」


バタバタと階段を上がる音がして、母さん登場。

なぜか白い粉が髪にかかっていて、小麦粉と推測。


「お、おかぁさ…!に、にににいさんが!」


「柚邑がどうかしたの?」






「えっろい彼女部屋に連れ込んでる!」







どたどたと部屋に侵入した母さんは、まじまじと俺をみて。



「本当だ!えっろい!」



「…え?」


なぜか楽しそうに笑って、蜜柑をみた。


「ヤバイよね?この子…えろい!」

「うん!えろいえろい!」


きゃあきゃあとえろいといい続ける女子たちに、戸惑う俺。



えっと…


つまり二人は、俺を俺の彼女と勘違いしたのか?



助かった……のかは置いといて。

とにかく俺は言わなきゃならないことがあった。




「えろくない!」


これ、大事だから。
なんか俺がえろいと言われたようで、恥ずかしかったから。
< 69 / 631 >

この作品をシェア

pagetop