妄想世界に屁理屈を。
「きゃぁああああっ!」
突如、妹の悲鳴が部屋に響いた。
「どうしたの蜜柑!」
バタバタと階段を上がる音がして、母さん登場。
なぜか白い粉が髪にかかっていて、小麦粉と推測。
「お、おかぁさ…!に、にににいさんが!」
「柚邑がどうかしたの?」
「えっろい彼女部屋に連れ込んでる!」
どたどたと部屋に侵入した母さんは、まじまじと俺をみて。
「本当だ!えっろい!」
「…え?」
なぜか楽しそうに笑って、蜜柑をみた。
「ヤバイよね?この子…えろい!」
「うん!えろいえろい!」
きゃあきゃあとえろいといい続ける女子たちに、戸惑う俺。
えっと…
つまり二人は、俺を俺の彼女と勘違いしたのか?
助かった……のかは置いといて。
とにかく俺は言わなきゃならないことがあった。
「えろくない!」
これ、大事だから。
なんか俺がえろいと言われたようで、恥ずかしかったから。