妄想世界に屁理屈を。


夕飯は最悪だった。



「からあげ作ろうとして天麩羅粉ぶちまけたんだよ、お母さん」


はい、あーん♪とからあげを口に入れてくる蜜柑に


「しかし、あれだな。孫!孫早く欲しいな!」

「そうねぇ、早くできそうねぇ」


下ネタオンパレードな夫婦。

ちなみにあれ以来いっさい俺の存在を気にするものはなかった。
ゆーちゃんの時の方が待遇が良いのはなぜだ。


「ゆーちゃんメアド教えて!」

「俺携帯がなくて」


誤魔化しも上手くなった気がする。

ボクッ子設定が功を成し、一人称が『俺』でもよくなったのも幸いの一つだ。


「ねぇ!学校でさ、「俺は男だ〜」とか言って「本当か確かめてやるよ」ってえっちな事始まったりしない?しない?」

「しねぇよ!てかその脳みそどうなってるかの方が気になるよ!」


蜜柑の将来が不安になった。


「じゃあ、イケないお姉さまとかに「あら貴女男なのね。ならこういうこともノープロブレムってわけ?」「…あ…」みたいな!?」

「…どこまで手を出してるか聞かせてくれ」

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