妄想世界に屁理屈を。
夕飯が終わると、蜜柑の部屋に招かれた。
蜜柑の部屋に何年かぶりに入ることを許可された俺は、しばし感動し涙を溢しかけた。
ピンクのベッドに可愛いぬいぐるみ。
壁にかかったコートやマフラー。
「……」
…言い方をかえよう。
可愛いぬいぐるみに挟まれた、R指定な格好をしたBLフィギュア。
ベッド脇の本棚には、ファッション誌で誤魔化しきれないほどの薔薇やら百合やらの本。
隠す気が無くなったらしい壁には、二次元が脱ぎまくったピンク色のポスター(ちなみに女子か男子かは想像にまかせる)
「(育て方を間違えたぁあああああ…)」
“うわ…”
さすがのアカネも出てきた。
“お前の妹やばくね?”
「(……俺の妹って言うより、世の女子のヤバさを恨むことにした)」
世の女子が買うから、こういうのが出回るのだ。
そうだ、きっとそうだ。
「あ、ゆーちゃんこういうの興味ある?
見てみて!これなんて手作りなの!」
壁のポスターの一つの画像集を指差しながら言われて、俺の思念は地に伏した。