妄想世界に屁理屈を。
「てゆーか、ゆーちゃんいつまでも兄さんの汚い服着てるの?服は?」

「あー…と、ない…かな?」

確かに俺の部屋着をダボぎみ(一部出てるが)で着ているのは、不自然か。

「服きてきてないの?」

「え?あ」

「どんなプレイしてきてんの!」

「ぬ、濡れた!濡れたんだ!」


顔が赤くなりながら、必死に言い訳をかます。

…あれ、なんで赤くなったんだ俺?

“体が女になれば精神も女になる。苑雛を可愛いって思ったのもそれだな。精神は体の奴隷ってわけさ”

え?じゃあ俺設定的に『ちょっと初なボクッ子天然美巨乳系女子』なの?ファン多しだよ?

「…雨降ったっけ?」

「道端!で、かけられて!」

「あー…!」

いかがわしい思念から一点、納得してくれたようだ。

「さっき兄さんが服貸してって言ってきたのはそれか…」

「え、あ、そう!」


冷や汗で寒くなりながら、あはあはと顔の筋肉を酷使する。

…違うんだ、スズのためなんだよ…

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