妄想世界に屁理屈を。
「ゆーちゃん!これ来て!」
差し出されたものに思わず叫びそうになった。
「いや、困る…ほかにないの?」
「ゆーちゃんのサイズは持ってなくてぇ…これ文化祭で隣のクラスがやってて、もらっちゃったんだよね
ヲタな蜜柑なら喜ぶだろーとか言われてさ
実際に着てみたら、胸元が大きく開いてて…ちっぱいってゆーマニアックな私にはちょっと無理があったの」
「何から何までツッコミ必要な発言するなぁああっ」
お前中学生だろ!
「いやだ!スカートなんて履いたら何かを失う!」
「いいじゃん!け、決して私は『ぅう…//恥ずかし…すぅすぅするぅ……』ってボクッ子設定お約束のもじもじが見たいわけではなくて!」
「鼻血!とりあえず鼻血拭いて!」
たらぁ、と愛妹の鼻を垂れる妄想の対価を拭いながら。
「じゃあじゃんけんで決めよう!ね?お願いっ」
「……」
何年ぶりだろう、妹にお願いされたのは。
「じゃ、じゃあ…」
まあ俺にはアカネという神様がついてるし、大丈夫だと思ったんだよ。