召しませヒメの甘い蜜
(それにしても、あのお料理は美味しかったな)
麗は「ボーノ・ボーノ」で口にしたあの美しい料理のことを思った。
爽やかな新鮮野菜と魚介をふんだんに使った新風イタリアン。
ヘルシーで美味しく、かつ美しい。
目で癒されて、口からの刺激で心が満たされる。
身体のなかに風が通り抜けていくような感じ。
料理ひとつでこんなにも興奮させられたことってあっただろうか。
そのお陰で、あの時両親に告げられた驚きの事実も、受け入れることができたのかもしれない。