君の背中を見つめる恋
「ごめん、英語の教科書貸してくれない?俺忘れちゃってさ」

「うん、いいよ。でもあたしのクラスも今日使うからすぐ返してね」

「分かった、ありがと」



香乃がパタパタと
教科書を取りに行く姿を

阿部が目で追っていると、

香乃の席に居た
夕里と自然と目が合った。


あの人…

香乃ちゃんといつも一緒に居た
同じ中学の…


阿部がペコッと小さく挨拶。

それに夕里もペコッと返した。



「はい、教科書!」

「ありがと。じゃぁまた後で」

「うん」

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